レポート
医療機関における取引費用とITの活用
真野 俊樹
1
1大和総研企業財務戦略室バイオヘルスケア
pp.714-717
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903345
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人口の高齢化,疾病構造の変化など医療外部環境の変化また国民医療費増加により,医療機関は自らの方向性を戦略的に考えることが必要になってきた.例えば,急性期から慢性期医療まで行う垂直統合,急性期のみあるいは慢性期のみに特化する水平統合,あるいは専門外来クリニックなど専門に特化する方向が考えられる.要するに医療機関の効率的経営(注1)が求められている.
日本福祉大学二木教授によると,日本ではIDS (Integrated Delivery System,保健・医療・福祉連合体.注2)化が進んでいるという.一方米国では,日本より早くIDS化が進展すると同時にIT (information technology)の拡大により,医療機関のネットワーク化も進展している.これらの現象は「組織内に医療に関する種々の機能を内部化することと外部化することのどちらが医療機関にとって効率的か」(注3)という問いかけに言い換えることができる.
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