特別寄稿
オンロツク/PACEモデルにみる医療福祉統合・2
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.240-247
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903224
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Ⅱ.オンロック/PACEモデルの成果と課題
Ⅰ部では,オンロック/PACEモデルの構造とプロセスの側面について紹介した.このオンロック/PACEモデルが公認された1997年の財政調整法は,その名称から明らかなとおり,連邦政府の財政支出を抑制することが目的の法律である.当初の予定では,メディケアだけでも法施行後5年間に100億ドル(1兆円)もの費用を削減しようとするものであった.ケアの質の評価研究が盛んなアメリカで,この法においてメディケア・メディケイド医療サービスの供給体として公認された事実は,オンロック/PACEモデルが,ケアの質を保ちながら強力な費用節減効果を実現したと見なされたことを示唆している.
しかし,その後のオンロック/PACEモデルの拡大のテンポは,当初1998年までに見込まれた100か所の3分の1にしか達していない.その背景に,拡大を阻むなんらかの課題があるからに違いない.
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