特集 病院医療—21世紀への遺産
21世紀—患者(消費者)主体の医療をどう展開するか
日本医療福祉建築協会
栗原 嘉一郎
1,2
1日本医療福祉建築協会
2筑波大学
pp.1049-1050
発行日 2000年12月1日
Published Date 2000/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903147
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病院建築の観点から見た患者主体の医療の展開
患者主体の医療ということは,与えられる医療から選択する医療への転換を進めることであり,その場面は患者の病院生活全般に及ばなければならない.すなわち,患者を病院側が用意する一定のシステムに従わせるのではなく,米国の一部に導入されている「プラタナスモデル」(図)のように,患者を看護の枠組みの中心に置き,カルテへのアクセス,プライバシーの保ち方,部屋の明かりの調節,家族の参加度合い,食事や間食のとり方など,すべての点で患者の意志に基づく選択が尊重されるようにする必要がある.
建築面でいえば,外来診療部などの待合いスペースのしつらえにはもっと自由な発想が欲しいし,待ち時間に移動の自由を与えるような機器システムの採用も普及してほしい,プライバシーの欠如した中待ちスペースの改善も急務であろう.
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