連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第70回
高知県立幡多けんみん病院
藤記 真
1
1(株)日建設計大阪本社設計室
pp.724-729
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903074
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日本最後の清流として名高い四万十川.その河口,中村市から西側に隣接する宿毛市までは,国道56号線に沿って車で約40分の道のりである.西南・宿毛の二つの県立病院を統合した幡多けんみん病院は,両市のほぼ中間の丘陵地を切り開いた高台に建設された.この地域は,高知市を中心とした土佐に対して幡多と呼ばれ,付近にはまだまだ豊富な自然が残っている.年間の降雨量の多さとともに,ひとたび雨が降った時の激しさと,晴れた時の日差しの強さという,極めてめりはりがある気候が,高知の特徴といえる.同院は,幡多地域の基幹病院としての役割を担うことを第一としながら,その厳しい気候風土の中にあって,療養環境の向上や省エネルギーのために,恵まれた自然を豊かに使うことを目指した病院である.
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