Principle 病院経営・8
レントゲングラフ法(2)
谷田 一久
1
1広島国際大学医療福祉部医療経営学科
pp.770-771
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902780
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医療の提供状況を読む
レントゲングラフ法(以下,RG)については,くどくどと説明を加えるよりも,具体的な事例をみてもらうほうが話は早い.図はとある公立病院の過去隔年3か年のRGである.点のばらつきが,年度によって大きく変化していることに気づくであろう.これすなわち,経営戦略の違いであり,結果として果たした病院機能の違いでもある.
同じ病院でありながら,入院医療の提供状況に変化が認められるのである.最も古い年次のグラフ(図—A)は,右方向への点の展開があまり認められない.縦軸近辺に点は密集している.このことが意味するものは何か? このような状況は,積極的医療行為を濃厚に行うことが求められる患者が少ないことを意味する.つまり,高点数となるような医療行為があまり行われておらず,同様に薬価の高い薬も使われていないということを意味するものである.
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