技術講座 免疫
免疫複合体
安倍 正博
1
,
小阪 昌明
1
1徳島大学医学部第一内科
pp.413-417
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901568
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サマリー
血中免疫複合体(IC)は抗原抗体反応によって生じる産物で,補体の活性化および貪食細胞やリンパ球を介する多彩な免疫反応を惹起し,組織を損傷する作用を持っている.多数のIC測定法があるが,近年は感度が高く,精度の良いキットが普及している.今回,頻用されているClq固相法、抗Clq抗体法,抗C3d抗体法,モノクローナルリウマチ因子法およびRaji細胞法の測定原理を解説し,それらの特徴と問題点を述べた.いずれの方法も多様性に富んだICの一部分のみを認識して測定しており,測定値の解釈には注意が必要である.現時点では測定原理の異なる複数の方法でICを測定し,その臨床的意義を評価するのがよい.
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