民間精神病院はいま—21世紀への展開・9
ときわ病院—機能分化の現状と問題点
花井 忠雄
1
1医療法人ときわ病院
pp.939-942
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902532
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日本の精神科病院は今大きな様変わりを見せている.ひとつは,入院治療を中心とした精神科病院から,外来治療・デイケアによる退院者のリハビリテーション・社会復帰施設の設置や退院者の地域生活への援助など,地域医療・地域ケアへと,病院の役割の幅を広げていることである.もうひとつは,入院医療の質を高めようとする動きである.それは一方では,狭い・暗い・汚いなどの精神科病院の陰性イメージを刷新し,鉄格子が外され明るく快適な療養環境を整えるなど,イメージアップが進められていることに象徴されている.他方では,看護婦だけでなく精神科ソーシャルワーカ(PSW)・臨床心理士(CP)や作業療法士などのコメディカルスタッフを配置してチーム医療を推進し,また,急性期治療病棟や精神療養病棟など病棟を機能的に分化して精神科入院医療の質と効率を高め,社会復帰の促進と入院期間の短縮をさらに図ろうとする動きに示されている.
ここでは精神科入院医療に限って,当院の現状を一例として紹介し,今後の課題について二,三触れてみたい.
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