特集 病院におけるボランティア・ワーク
病院におけるボランティア活動の現状と問題点
牧野 永城
1
,
三井 和子
1
Eiki MAKINO
1
,
Kazuko MII
1
1聖路加国際病院
pp.105-108
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208994
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病院はまだまだ勉強不足
病院ボランティアの始まり
もう20年以上も前のことになるが,アメリカの病院で働いていたころ,病院内で働く中高年の婦人や若い学生などのボランティアの姿は,筆者の目に病院の存在に溶け込んで極めて自然に映ったものである.
アメリカの病院の成立の歴史をみると,人々の手によって(By The People)でき,また運営されてきたものだけに,それなりにそれは納得できた.わが国にはそのような社会や病院の歴史的背景がない.帰国して聖路加病院に勤めるようになって数年経ったころ,ボランティア制度導入の話がちらほら出てきたときも,歴史的背景のない所にそのようなものがいったい育つだろうかと,正直言って疑問に思ったものである.当時当院の院長であった橋本寛敏先生が同じような見解をもっていてあまり積極的でなかったと聞いている(当時の総婦長の話).
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