民間精神病院はいま—21世紀への展開・7
平和病院—新しい精神科病院医療の実践と試み
小渡 敬
1
1医療法人社団志誠会平和病院
pp.751-754
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902482
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わが国の精神障害者や精神科医療に対する国民の認識は,おおむね否定的,拒絶的ないし無関心な傾向にあり,精神障害者を病者としてとらえようとせず,単に異常者として自分たちには無縁のものであると考え,それを治療する精神科病院に対しても,近づき難く,怖いところであると考えている人が少なくない.そして,精神科医療に対しても,間違った認識を持っている場合が多く,いわゆる精神障害に対して根強い偏見があるのが現状である.
しかし,これはわが国だけではなく,世界各国でも同じような認識(偏見)を持っているようである.そのため1981年よりWHOにおいて「国際障害者年」が設定され,その後1983年から1992年まで「国連・障害者の10年」が策定され,精神障害も含め障害者に対するノーマライゼーションの思想が国際的に,急速に普及しつつある.わが国においても,1995年12月に「障害者プラン」(ノーマライゼーション7か年戦略)が策定され,障害者の生活の質(QOL)の向上を図り,地域で共に生活ができ,障害に対する心のバリアフリー化を促進するなどの取り組みが,現在行われつつある.
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