特集 介護保険と長期ケア施設
介護力強化病院における対応—アメニティの向上と良質な医療サービス
加藤 隆正
1
1医療法人渓仁会
pp.231-234
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902351
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渓仁会グループの概要
医療法人渓仁会は札幌市内に総合病院手稲渓仁会病院と西円山病院,定山渓病院の二つの完全型療養型病床群,および関連する社会福祉法人南静会で特別養護老人ホーム,老人保健施設,ケアハウスを点在させ,両法人を併せて渓仁会グループと呼称している.施設群すべてのベッド総数は2,110床になる.
約180万人の人口を抱える札幌市は本州の各都市に比較して家族関係が希薄で施設ケアの要望が強かったが,当法人では21世紀の高齢社会を見据えて4〜5年前から在宅ケアのメニューづくりに力を入れ,訪問看護ステーション,在宅介護支援センター,デイケアセンター,デイサービスセンターなどを整備するほか,高齢者の生活ニーズに対応して非営利事業による配食サービスや緊急通報システムなど高齢者の生活をトータルで支援する仕組みづくりにも心がけている.一世帯平均人員が2.3人台と全国市町村の中でも最低ランクにあり,高齢者の在宅生活の推進には家事の外部化傾向が強い札幌市ではケアの側面だけではなく,高齢者のトータル支援を欠かすことができない.
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