特集 ケアマネジメントと病院
世界に広がるケアマネジメント
池上 直己
2
David Challis
1
1Personal Social Services Research Unit, University of Kent
2慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.821-824
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902204
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医療と福祉の支払い方法や提供方法は国によって様々に異なるが,共通したトレンドが現在みられる.それは,施設を中心としたケアから,コーディネーションやケアマネジメントへの動きである[Challis, et al,1994].こうした変化はヨーロッパやアジアの様々な社会において共通にみられる.オーストラリアは1980年代中期以降の高齢者ケア改革(aged care reforms)からそれが起こっているし,日本ではゴールドプランが示されている.一方,スウェーデンは医療と福祉の違いを取り払い,急性期ケアと長期ケアの分け方に変えている.イギリスにおいても地域ケアの改革が行われ,1989年に示さた「人々にケアをする」(Caring For People)という白書の中の中心的な目標となっている.これらに共通してみられるテーマは,介護者への支援,多様なサービスの開発による在宅ケアの推進,そしてアセスメントやケアマネジメントの確立である.
しかしながら,このように様々な国における社会政策や社会開発にケアマネジメントが重要な役割をするのであれば,その意味するところや目標とすることをより明確にする必要がある.ケアマネジメントは個人のニーズに対してサービスを合わせることであるが,その様々な解釈については,イギリスの保健省が提示している[DoH, 1991].
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