病院管理フォーラム 広がる病院患者用図書館・4
病院の地域医療活動と図書館サービス
山室 眞知子
1
1京都南病院図書室
pp.640-641
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902156
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かつてはとかく暗いイメージを持たれてきた病院は,数年来,多くの病院にアメニティ委員会が設置されて療養環境の改善による明るい病院づくりが進められている.「早い夕食,冷たい食事」といわれていた病院給食も温冷配膳車の導入や18時以後の夕食には診療報酬加算の対象となって,適時・適温の食事環境が整えられ,患者食堂設置の動きもある1,2).また,医療機関と地域の人々との関連を持ち,医療機関の役割,医療従事者の業務などについての認識を深めてもらうためにボランティアを積極的に受け入れる方向が,日本医療機能評価機構3)のなかに示されている.
表は1995年9月に全国患者図書サービス連絡会が行った調査回答4)のサービス開始年より,その増加数を示したものである.長年ごく限られた病院でしかみられなかった患者さんへの図書サービスが,ここ10年間で急速に広まりつつあるのは,このような病院の環境の変化が大きく影響していると思われる.それに加えて,公共図書館のサービス,特に障害者や図書館へ来られない入々へのサービスの拡大も見逃すことはできない.病院がボランティアや公共図書館のサービスを受け入れやすくなった環境になったことと,社会的にもボランティアの評価が高まってきたことも一つの要因であろう.
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