特集 病院機能評価の動向と将来
精神科医療における機能評価
伊藤 弘人
1
1日本医科大学医療管理学教室
pp.426-428
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902103
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日本における精神科病院は,精神科医療の質改善活動を自ら開始している.日本精神病院協会では,精神病院自己評価マニュアルやピア・レビュー活動などを通して,精神科医療機能評価を積極的に行ってきた1〜3).これらの経験と蓄積は,財団法人日本医療機能評価機構(以下,機構とする)の精神科病院版調査票の作成に生かされ,機構における精神科病院の医療機能評価事業が今年度から開始される.
精神科病院版調査票の評価項目は,日本精神病院協会の病院管理委員会のメンバーが中心となって作成してきた.主に精神科病院の経験者が,自らその質を改善するために検討を重ねて結実したものが機構の評価項目なのである.改善動機が病院自らにあるという点で,行政主導で行われてきた日本の精神科医療の質の管理形態の歴史で,画期的な変化であるということができる4).
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