病院進化論・1
マンモス化と過適応の歴史
古川 俊之
1,2
1国立大阪病院
2東京大学
pp.480-483
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901811
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この変哲なテーマに思い至ったのは,病院の変遷をデザイナーという造物主の眼で見ると,これが生物同様に進化してきたと感じるからである.釈迦に説法であるが,生物の進化とは「生物のある仲間から新しい仲間が生じ,それで種類が増えること」である.生物の進化は実験で確かめるにはあまりに永い道筋であるが,病院の進化は人類の文化史の一部であるから,はるかに調べやすい.かつ病院には進化の系統図が明らかにあり,西欧と日本では系統樹が違う.生物進化の仕組を重ね合わせて見るのも,病院の進化のアナロジーとして面白い.とにかく寓話的にいろいろ屁理屈をこねるのに都合がよい.
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