厚生行政展望
加速する情報化
厚生行政研究会
pp.1176-1177
発行日 1995年12月1日
Published Date 1995/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901685
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はじめに
この9月より,商用のパソコン通信ネットワークに「厚生省行政情報」が流れている(NIFTY-Serveの場合,>GO MHWBULでアクセスできる.).厚生省が発表する統計資料や記者発表資料などが,自宅のパソコンから自在にアクセスできるわけで,介護保険構想の動向などを詳しく追跡することができる.先の大震災の際に,厚生省は,情報提供のために初めて商用ネットワークの積極的な活用を行ったのだが,この経験によって,「商用」ネットワークを活用することへのタブー感覚が遠ざかったようである.今後も,一般に広くオープンされた商用ネットワークの活用は,積極的になされることであろう.
医療面でも,今年度は,国立がんセンターのスーパーコンピューターと地方の中核的がんセンター(愛知県がんセンターと宮城県立がんセンター)とがネットワークで結ばれ,最先端の医療技術情報が地方でも利用できることとなっている.来年度予算の概算要求書では,さらにいくつかの地方がんセンターにネットワークが拡げられ,国立循環器病センターのスーパーコンピューターも地方の中核的循環器病センターとネットワーク化される予定である.従来,ナショナルセンターと他の医療機関との問に歴然とあった医療技術情報の落差が,地方の中核的医療機関と他の医療機関との間にも持ち込まれてくるわけで,情報化の動向にうかうかとしておれない情勢である.
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