特集 問われる病院と地域の保健活動
[事例紹介]病院の予防活動
大腸精密検診—全大腸内視鏡検査
片倉 重弘
1
,
井本 忠行
2
1弘仁会片倉クリニック
2鶴ヶ峰病院健康管理センター
pp.1155-1157
発行日 1995年12月1日
Published Date 1995/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901679
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はじめに
かつて言われたように日本人には胃がんが多く,直腸,大腸がんは少ないという時代は過去のものとなりつつある.高脂肪,高蛋白,低繊維な食事,つまり食生活の欧米化に伴って,近年,大腸がんの患者数は急激に増えつつある.このままの増加を続ければ,21世紀には新たに大腸がんにかかる患者数は8万人に達し,胃がんを追い抜くと予測されている.
大腸がんの発生は20〜30歳台に比べて40歳台において急に増加し,さらに増加を続け60歳台において最多となる.つまり,社会において最も期待される“働き盛り”といわれる時期を襲うために,その早期発見とそれに続く治療は社会的な問題であり,大腸のドックを含む検診の在り方はわれわれの社会にとって重要な課題となってきている.
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