グラフ
老人病院に求められる「サービスの質」とは—第3次増築を完了,新たな展開を目指す青梅慶友病院
pp.729-734
発行日 1991年9月1日
Published Date 1991/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900996
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青梅慶友病院は,老人を「寝かせきり」にしない病院,質の高いサービスを提供する病院として,首都圏では評判が高い.また,一般の人たちの間に「お金持ちの人が入る老人病院」という見方があることも事実である.これがいわゆる「お世話料」,保険外負担の高さを指していることは言うまでもない.
こういった一種のブランドイメージは病院経営にも様々な影響を及ぼしている.例えば昨今の看護婦不足の中でも当院にはそれほどの逼迫感はない,良心的な老人病院というイメージがある程度定着したせいか,地方の病院で勤めていた若い看護婦の就職希望が増えてきているという.病院見学者も平均して1日8件と多い.これは新設のハイテク病院のように,医療関係者の見学という意味ではない,そのほとんどが自分の親の入院を考えている家族の見学だ.入院を決意する家族にしてみれば,親を単なる「老人病院」に入院させるのではなく,「青梅慶友病院」に入院させるのだという意識が強いのではないだろうか,「老人病院の陰惨なイメージを少しでも払拭し,また少しでも人生の晩年を安心して過こせる場を作りたかった」という大塚宣夫院長のねらいは見事に的中したといえるだろう.
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