わが病院の患者サービス
国立京都病院—月例で院内コンサート
西脇 洸一
1
Kohichi NISHIWAKI
1
1国立京都病院外科
pp.880-881
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900760
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◇病院でこそ音楽を
病院で入院生活を送っている患者さんの心の中は,病気による苦痛や将来の生活に対する不安,さらには死への予感など,深刻な孤独の中での葛藤が渦まいていることだろう.そうした中にあって,友人や家族との交遊やおいしい食物,美しい花などは,しばしの心の安らぎを与え,生命あることの喜びを感じさせる何よりの慰めに違いない.そして音楽も病の中にあって,普段と違った意味をもち,渇いた砂地に水がしみ込むように,心の中に拡がっていくのであろう.
12年前,何気なく始めた私達の病院でのクラシック・コンサートは,こうした患者さん達の心の欲求に合致したのか,患者さん達によって支えられ育てられて,今日を迎えている.本欄を与えられたのを機会に,ささやかな体験を報告させて頂き,音楽を愛し同じ志を抱いておられる先生方に何らかのきっかけになればと思います.
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