特集 第3次医療法改正はどうなるか
民間中小病院のゆくえ
医療環境の変化をどうとらえ専門病院としてどう対応していくか—別府・野口病院
野口 志郎
1
1医療法人野口病院
pp.1081-1084
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900523
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はじめに
私共の病院は主に甲状腺と頸部の疾患を取扱う,154床の外科を中心とした医療法人病院です.1年間の手術例数は1,400例を超え,手術例の約80%は甲状腺の疾患です.その他に内分泌代謝病の内科的治療,耳鼻咽喉科疾患も取扱っています。しかし,消化器,循環器など頻度の高い疾患は私共の専門の病気と合併している場合以外には取扱いません.したがって非常に広い地域からの患者を集めて診療しています.
私は甲状腺と副甲状腺を主に取扱う外科医でありまた甲状腺の中でもまた狭い専門分野の研究者でもあります.医学そのものの問題についてはある程度専門的な見識を持っているつもりですが,医療政策とか医療経済とかの問題については1人の医師としての意見以上のものはありません.しかし,物事を実証的に考える習慣がありますので,私の立場からみて,疑問を持ったり,いま世間で言われていることとは別の解釈を持っていることもあります.このような認識の違いを先ず明らかにし,次に専門病院の特徴に少しふれてみたいと思います.
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