事例 医療施設間連携
開業医から病院へ望む—東京・三鷹市の経験から
中村 努
1,2
Tsutomu NAKAMURA
1,2
1三鷹市医師会
2中村医院
pp.745-747
発行日 1992年8月1日
Published Date 1992/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900165
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はじめに
三鷹市では,10数年前より神経難病の在宅ケアを行っている.これは多摩地区に都立神経病院があり,多数の神経難病患者が入院加療を受けていることと無関係ではない.神経難病は経過が長くなり,病院側も患者も自宅にて療養を希望する者が多い.そこで地域としてなんとか神経病院と協力してこれらの患者の面倒をみることが出来ないかと,医師会と行政,保健所が手を携えて始めた在宅ケアが発展し,システムとして日本国内でも誇れるものと自負できるまでに定着してきたのである.しかし,システムを実際に動かしていくと種々な問題が発生し,特に人間関係的な要素が案外多いことがわかった.システムは1人で動くのではない.システムを動かす人たちの協力があって初めて十全にその機能を発揮できるのである.特にこの点について,診療所側より病院への提言をという企画なので,実例を踏まえて提言したいと考えた.
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