特集 地域の健康管理
三鷹市における市民健康管理について
鈴木 平三郎
1
1現在杏林大学
pp.377-383
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205196
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
人間にとって一番貴重なものは,生命であり,健康と長寿の保持である.これをまもるのが福祉である.人間の健康と長寿の保持には,3つの道がある.1つが社会保障,1つが生活環境整備,1つが住民の健康管理である.
豊かな生活,恵まれた生活環境,行き届いた健康管理なしでは,住民の健康と長寿の保持はできない.日本国憲法第二十五条に,「すべて国民は健康で,文化的な,最低限度の生活を営む権利を有する.②国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と明記されているが,現況はどうであろうか.国および地方自治体は,社会保障には熱心である.これは,すべて個人給付で,票に結びつくからである.生活環境整備は,特に公共下水道,都市公園,公営住宅,ハイウェイ,用地取得などに膨大な資金を必要とし,工事に種々困難があり,地味な仕事なので等閑にされがちである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.