事例 医療施設間連携
プライマリ・ケアの質の向上を支える—宗像医師会病院における病診連携
草場 公宏
1
Tomohiro KUSABA
1
1宗像医師会病院
pp.355-360
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900078
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はじめに
私どもがかつて経験したことの無い高齢化社会を迎えた今日,わが国の医療事情がいろいろな面で大きな転換期に立たされていることに異論は無いであろうが,現実にどう対応すべきかとなると,対象があまりにも多岐にわたるため具体的なコンセンサスが得にくい面がある.このような情勢の中で,歴史的にわが国医療の基本的な部分を担ってきた日本医師会が今後も牽引車としての役割を果たさなければならないことは当然であり,これからの地域医療体系を構築していく上で地域医師会に求められる責任も,また大なるものがあろう.
日医では,現在,医師生涯教育の方策について検討が進められており,その柱の1つに病診連携が挙げられているが成果は必ずしも十分とはいえない.今回は医師会病院を設立した地域医師会が,医師会活動の大きな柱の1つとして医師会病院を中心に据えながら,会員間のネットワークを含めての病診連携,あるいは病病連携を軸に地域における包括的保健医療供給体系を構築していく上でどのような方向の模索が可能であるか,また,そこでの問題点は何かといった点を中心に私どものささやかな試みを紹介し,ご批判を仰ぎたい.従って本稿ではいわゆる「病診連携」の意味を単に医師生涯教育の見地からのみ取り上げたものでないことを予めご了承いただきたい.
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