研究
がん患者に対する苦痛のスクリーニングの現状—がん診療拠点病院等の指定要件に関する調査より
坂根 純奈
1,2
,
伊藤 ゆり
1
,
太田 将仁
1,2
,
上田 育子
3
,
力武 諒子
4
,
渡邊 ともね
4
,
山元 遥子
4
,
市瀬 雄一
4
,
新野 真理子
4
,
松木 明
4
,
東 尚弘
4
,
若尾 文彦
5
1大阪医科薬科大学医学研究支援センター医療統計室
2大阪医科薬科大学一般・消化器外科
3大阪医科薬科大学病院看護部/がん医療総合センター
4国立がん研究センターがん対策研究所医療政策部
5国立がん研究センターがん対策情報センター本部
pp.808-815
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541212016
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要旨
【目的】がん診療連携拠点病院等(以下,拠点病院)の指定要件に「がん患者の身体的苦痛や精神心理的苦痛,社会的な問題などのスクリーニングを診断時から外来及び病棟にて行うこと」が義務付けられている.しかし,明確なスクリーニング手法は定まっておらず,その質の施設間格差が指摘されている.拠点病院の指定要件に関する調査から,各施設のスクリーニングの手法やタイミングについての現状把握を行う.
【方法】全国の拠点病院を対象に実施した実態調査の中の患者の身体的・精神心理的苦痛や社会的問題のスクリーニングについて分析を行った.
結果:スクリーニングは多くの拠点病院で,入院時点までの早期に行われていた.一方,スタッフの人員不足や,特に外来での全がん患者の把握が困難といった問題点も明らかとなった.
【結論】スクリーニングの手法の妥当性評価や教育の充実など,さらなる改善が必要である.
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