特集 病院経営から考える医薬分業
薬剤師から見た医薬分業のあるべき姿
医薬分業と今後求められる地域医療の連携に向けて—日本病院薬剤師会
武田 泰生
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1一般社団法人日本病院薬剤師会
キーワード:
医薬分業
,
地域医療構想
,
薬剤師確保
,
タスクシフト/シェア
,
医療DX
Keyword:
医薬分業
,
地域医療構想
,
薬剤師確保
,
タスクシフト/シェア
,
医療DX
pp.689-691
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211988
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■医薬分業の変遷
日本における医薬分業の歴史は明治に始まったと考えられている.その経緯は表に示すとおり,近代的な医事衛生制度を導入すべく1874(明治7)年に制定された医制(ただし,衛生行政の方針を示した訓令のようなもの)に端を発する.すなわち,調薬(調剤)は薬舗主(薬剤師)等に限定され,医師が自ら薬をひさぐ(売る,商いをする)ことを禁じられた制度であった.
その後,1889年の「薬品営業並薬品取扱規則」(薬律)の制定により,薬剤師は薬局を開設して医師の処方箋により調剤を行うことと規定された.つまり,医薬分業は明治の法令整備によって進められてきたものである.しかしながら当時は,特例として,医師が調剤および薬の販売を行うことを認められていたことから,医薬分業が不徹底に至ったとも言われている.
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