特集 急増する高齢者救急—医療提供体制の見直しと自院の役割
各論:高齢者救急に対する医療提供体制の在り方を考える
急増する高齢者救急に対応する救急体制の構築を—病院再編が地域医療に与える影響と自院の役割
吉田 純一
1
1社会医療法人中央会尼崎中央病院
キーワード:
高齢者救急
,
救急搬送
,
h-Anshin むこねっと二次救急システム
,
病院統合
,
地域医療構想
Keyword:
高齢者救急
,
救急搬送
,
h-Anshin むこねっと二次救急システム
,
病院統合
,
地域医療構想
pp.502-504
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211946
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2000年ごろからの急激な高齢化の進行により65歳以上人口は現在3500万人を超えており高齢化率もほぼ30%となった.そして団塊の世代が75歳以上となる2025年が目前に迫り,75歳以上の人口が1,860万人で総人口の14.7%となった.今後さらに高齢化社会は進み,超高齢化社会へと進んでいく日本においてさまざまな医療問題が生じてくる.なかでも急増する高齢者救急もその中の重要な問題点である.
全国の救急搬送件数は,2010年頃から増加の一途をたどっており,この2年間はコロナ禍の影響でやや減少したとはいえ今後もさらに増加すると考えられる.この救急搬送件数の増加の原因は高齢者人口の増加による高齢者救急の増加が原因であり,救急搬送数の年齢区分をみると2001年に38.5%であった高齢者割合は,2021年には61.9%と,20%以上もの大幅な増加となっている(総務省消防庁「令和4年版 救急・救助の現況」,本特集p488,加納論文図1参照).
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