連載 アーキテクチャー×マネジメント・94
相良病院
井内 雅子
1
1大成建設株式会社一級建築士事務所
pp.934-939
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211792
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■病院を取り巻く環境/建て替えの背景
相良病院は,鹿児島市の中心地に1946年に外科病院として開業し,1973年に乳腺X線装置を導入して以来,乳腺外科を中心とした先進女性医療の専門病院として成長し続けている.2014年には,日本唯一である乳がん領域においての「特定領域がん診療連携拠点病院」に認定された.乳がん治療を中心とした先進女性医療の地位を確立していく中で,患者の利便性,スタッフの働きやすさに配慮し,今まで市内4カ所に分散されていた機能を1カ所にまとめ,持続可能な医療を構築する必要があった.同時にさまざまな企業とのコラボレーションも計画され,後述するように医療機器メーカーのシーメンスヘルシニアーズにおいてアジア唯一のグローバルリファレンスサイトとなることが決まり,新病院開院時に発表されることになった.2016年には,全国の乳がん専門病院とグループ化や経営統合を図り,乳がん手術数全国一の実績を持つ「SWHG」(さがらウィメンズヘルスケアグループ)を設立した.新病院は,この中核施設である.
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