連載 アーキテクチャー×マネジメント・88
さいたま市立病院
加藤 拓郎
1
,
堀江 伸
1
1株式会社山下設計 東京本社 第1設計部
pp.382-387
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211672
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■建て替えの背景
さいたま市立病院は,古くから市民に親しまれている大規模緑地である「見沼田んぼ」を一望する緑豊かな田園風景の広がる同市郊外に位置する.超高齢社会を迎え,入院患者の増加や医療の高度化への対応と専門性の高い急性期医療(救急医療,精神科身体合併症患者対応,周産期医療など)の提供を通じ,「地域完結型医療の要」としての役割を担う,さいたま市が運営する唯一の公立病院である.
既存病院は,機能増強・刷新のため増改築を繰り返していたが,施設の老朽化および狭隘化が進み,また配置上も非効率となっていた.そこで,抜本的にこれらの課題を解消するため,「敷地内での全面建て替え」を行い,併せて医療機能の充実および強化を図った.さらに,市内において必要な政策医療に対応することで,市民に対して今後も安全で安心な医療の提供を行うことを目指し,2019年12月に新病院が開院した(図1).現在は,既存病院の解体工事に着手した.今後は外構整備などを予定している.
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