特集 ワクワクする病院組織づくりは可能か—人間重視の病院組織マネジメント
組織マネジメントの実際
地域包括ケアを実現させる組織マネジメント
小室 貴之
1
1株式会社楓の風
キーワード:
知識創造理論
,
自立支援
,
科学的介護
,
円卓発想
Keyword:
知識創造理論
,
自立支援
,
科学的介護
,
円卓発想
pp.1075-1079
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211579
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■地域包括ケアが目指すものを見極める
2021年春,介護保険制度は「地域包括ケアの推進」とともに「自立支援・重度化防止の取組の推進」へとさらなる進化を遂げた.また,それらを踏まえた「介護人財の確保・介護現場の革新」を唱え,もって「制度の安定性・持続可能性の確保」を実現するとしている1).これにより,介護保険に関わる医療介護事業者は,個々の理念や哲学の推進によるおのおのの想いによるケアの実践に加えて自立支援ケアへの徹底が求められ,究極はサービスを使わずとも自由に生きていける社会の実現を目指す視点が求められている.
このような大きな改定に戸惑いを隠せない事業者も数多く存在するだろう.制度の期待に応えなければ報酬減は免れず,かつ限られた人材の雇用と定着の課題も乗り越えるマネジメントを実践しなければならない.すなわちスタッフたちに目的を理解させ,共感し,個々の特性や専門性,キャリアを存分に生かしつつ,地域包括ケアの理念を実現する目的的かつ自律的な活動を実現する組織づくりである.
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