特集 働き方改革のための生産性向上
総論
医療・福祉サービス改革による生産性の向上
伊原 和人
1
1厚生労働省(総合政策担当)
キーワード:
担い手不足
,
働き方改革
,
ロボット
,
AI
,
ICT等の実装化
Keyword:
担い手不足
,
働き方改革
,
ロボット
,
AI
,
ICT等の実装化
pp.393-396
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211420
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■はじめに
今回,編集室よりいただいたテーマは,「医療・福祉サービス改革による生産性の向上」である.「生産性」という言葉は経済学の用語であり,元来,生命・健康・尊厳といった価値に重きを置く医療や福祉の分野で使用されると,優先すべきこれらの価値が金銭評価され,安易な比較考量がなされてしまうような違和感を持たれる向きがあるかもしれない(現場で直接,ケアに従事されている方ほど,こうした受け止めをされている可能性もある).
本稿では,あくまで「生産性」という用語を,公的な医療・福祉サービスが,本来の価値の実現を目的として,持続的に質の良いサービスをより効率的に提供していくための道具概念と解し,関連した政策の動向について,述べることとしたい注1.
なお,本稿のうち意見にわたる部分は,筆者の個人的な見解であり,筆者が所属する組織の見解ではないことを申し添える.
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