連載 アーキテクチャー×マネジメント・72
北見赤十字病院
渡延 公
1
1株式会社石本建築事務所 業務企画部門医療担当
pp.890-895
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211310
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■はじめに
北見赤十字病院の新病院本館の竣工は2014年12月である.続けて2015年6月に新北館が完成し,全体の完成(2015年12月)から5年を超えた(図1).新本館の竣工前2014年3月には北見赤十字病院オホーツクPETセンターを開設し,2016年4月には救命救急センターに救急ワークステーションを併設し,日勤帯でのドクターカーの運用を開始した.
また,道立北見病院が2016年8月に北見赤十字病院の敷地を借りて移転新築で開院し,2018年度から10年間,北見赤十字病院が指定管理者となり,隣接した北見赤十字病院と道立北見病院との一体的運営を始めた.
北見赤十字病院は三次医療圏であるオホーツク圏域の地方センター病院注1として,地域における中核的な病院と位置づけられている.オホーツク圏域は三次医療圏として岐阜県の面積を上回る全国9番目の広大な面積を有する一方,それを支える人的資源である医師数は少なく,慢性的な医師不足の状況が続いている.少子高齢化が進む中,人口は年々減少するが,高齢化が進むため入院患者数は2030年まで増加が見込まれる.
北見赤十字病院の役割の一つは,オホーツク圏域の地域完結型の医療体系において,高度急性期・急性期医療の一端を担うことである.広大な地域医療の充実に向けて,病院運営・地域医療サービスとハードとしての建築がどのように関わっているかを報告したい.
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