連載 アーキテクチャー×マネジメント・58
JA香川厚生連 屋島総合病院
宇田 淳
1
1滋慶医療科学大学院大学
pp.712-716
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211051
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■はじめに
源平合戦の一つ,源義経が殊勲を挙げた屋島の戦いで知られる屋島の麓にある香川県厚生農業協同組合連合会(JA香川厚生連)屋島総合病院(香川県高松市)は,1947年に開設された総合病院である.旧病院は,3棟で構成され,老朽化や狭あい化が進み,最も古い南棟は1969年の完成で耐震基準を満たしていなかった.このため,移転新築により災害対応や救急医療を強化し,2016年11月に耐震構造の新病院をオープンした.
高松琴平電気鉄道・志度線「潟元駅」目の前にあった旧病院から,相引川・新川沿い北西に約1km離れた同市屋島西町子の浜塩田跡地に全面移転し,救急を含む急性期医療から回復期,訪問看護と幅広く医療を提供する病院に生まれ変わった.敷地面積は約1haから約2倍,駐車場も約2倍程度と広くなった(図1).規模はRC造4階建て延べ2万m2,診療科は内科や外科,産婦人科など24科を維持し,病床は279床である.1階に外来部門を集約し,2階に救急部門を設け,3・4階を病棟とした.災害対策として建物の耐震性を確保するほか,津波や高潮に備え,病院の地盤をかさ上げした.
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