特集 医師の働き方改革
巻頭言
渋谷 健司
1
1東京大学医学系研究科国際保健政策学
pp.759
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210561
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今,「働き方改革」が大きな社会的課題となっている.医師の働き方もその例外ではない.わが国の医療供給体制は,人口・社会経済の構造的な変化のスピードに十分に対応しきれておらず,医療現場では,過重労働や超過勤務が恒常化し,現場従事者の負担に過度に依存して成り立っているからだ.
厚生労働省では,2017年4月に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(以下,ビジョン検討会)による提言書が公表された.そして,同年8月からは「医師の働き方改革に関する検討会」が始まったところである.医師については,医師法に基づく応召義務などの特殊性を踏まえた対応が必要であり,時間外労働規制の対象とする一方,改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用することとされている.そのために,2年後を目途に規制の具体的な在り方,労働時間の短縮策などについて検討し結論を得るための具体的プロセスが始まった.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.