研究
Technology indexを用いた病院機能の総合評価
森田 光治良
1
,
康永 秀生
1
,
山名 隼人
1
,
野田 龍也
2
,
今村 知明
2
1東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学
2奈良県立医科大学健康政策医学講座
pp.527-533
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210279
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要旨
[背景]医療機関の総合的機能を評価するストラクチャー指標としてDPC群分類や病床数などが用いられてきたが,病院機能を細部にわたって評価しているとはいえない.本研究では,個々の高度な医療技術・サービスを評点化し統合するtechnology indexを用いて機能を評価し,従来のストラクチャー指標と比較した.
[方法]2014年度の病床機能報告データからtechnology indexを算出し,technology indexとDPC群分類および病床数との比較を行った.
[結果]Technology indexは最小値0,最大値9.60,中央値0.65となった.Technology index中央値は,DPCⅠ群7.66,Ⅱ群6.67,Ⅲ群2.97,非DPC群0.14となり,4群間で有意差を認めた(p<0.001).一般病床のみの施設では,どの病床数群にもtechnology indexの高い施設が存在した.療養病床のみの施設においても,technology indexの高い施設は存在した.
[考察]Technology index はDPC群分類と有意な相関を認めたものの,非DPC群にも高いtechnology indexを有する施設が認められた.また,療養施設にも高いtechnology indexが認められ,病院機能分化が不十分である現状も示唆された.
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