BOOK Review
書評『自治体病院の歴史─住民医療の歩みとこれから』
佐藤 元美
1
1一関市国民健康保険藤沢病院
pp.69
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209775
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ご自身が自治体病院に勤務した経験があり,その後,長く自治体病院に関して研究を重ね,発言をしてこられた伊関友伸先生が本をまとめられた.大著である.710頁もある.明治期以来の自治体病院に関するおびただしい文献をもとに,歴史が述べられている.なかなか読破するのは大変だと心配したが,随所に自治体病院のその後を大きく変えるエピソードが活写され,また,著者の現在の視点から,その時々の政策について評価が記されていて読み物としての面白さがあり,最後まで一気に読み通してしまった.
自治体病院を動かしてきたものは,公的に残された記録からは運営する自治体の財政力と政治力である.それは今でも厳然としてそうだと思う.そのうえで著者の自治体病院への期待と批判が熱く述べられている.
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