検証・日本医療の論点
私的病院の拡大パターンの変貌—名古屋市を例として
二木 立
1
Ryu NIKI
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.1153-1160
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209734
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●はじめに—私的病院の構造変化
わが国の病院・病床の拡大は,戦後一貫して私的病院が主導してきた.この傾向は,「医療冬の時代」が叫ばれた1980年代に入っても変わっていない.しかし,私的病院内部の構成には大きな変化が生じている.
表1に示したように,医療法人病院は,1980〜88年の8年間,病院・病床とも急増し続けている.その結果,病院病床総数に対する割合は,1980年の30.2%から1988年の36.7%へと,8年間で6.5%ポイントも増加している.医療法人病院は数が増えただけでなく,着実に規模拡大し,平均病床は1988年には155.6床に達している.
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