検証・日本医療の論点
医師所得は高すぎるか?—1980年代の医師所得変化の実証的研究——②
二木 立
1
Ryu NIKI
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.624-630
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209613
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●開業医所得水準の1980年代の変化
前回は,病院勤務医の所得水準が1980年代に入って低下し続けていることを見てきた.今回は中医協と日本医師会がそれぞれ実施している「医療経済実態調査」等を用いて,開業医所得水準の1980年代の変化を検討したい.
結論を先に言えば,開業医の所得は1970年代に比べ1980年代初頭には相当低下したが,勤務医所得水準が1980年代後半も低下し続けているのとは異なり,開業医所得水準の低下はその後一時的にせよ停止している.
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