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医師と医療従事者の所得・1—1.病院勤務の医療従事者の所得
二木 立
1
1代々木病院内科
pp.782-783
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207247
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連載に当たって
国民医療費は,経済の低成長の中でも急増を続け,昭和53年度には,10兆42億円と10兆円の大台を突破した.国民医療費の対国民所得比も6.03%と,欧米諸国と比べてさして遜色のない水準に達している.それだけに,今後,医療費の有効な使用が大きな課題となる.
そのための基礎として,現在の国民医療費の配分の実態を正確に把握することは重要である.従来,この国民医療費の配分のうち,診療行為別の配分や医療機関別の配分については,厚生省「社会医療調査」,「国民医療費」や社会保険診療報酬支払基金「医療機関別診療状況調」などの諸統計により,その概略を知ることができた注).それに対して,国民医療費の最終配分については,信頼すべき統計資料は全く存在しない.そのために,一部では,"10兆円の医療費を医師(だけ)が分け合っている"かのごとき誤解すら生まれている.
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