病院管理トピックス 医療情報・診療録管理
医療サービスと診療情報のコード化/病院職員の教育研修
星野 桂子
1
Keiko HOSHINO
1
1病院管理研究所医療管理部
pp.364-365
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209547
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◆コード化の新しい局面
診療記録には実に様々な情報が含まれている.これらを保管するということは,いつでも必要な記録を迅速に取り出して利用できるようにしているということである.診療記録を利用する場面を考えると,患者氏名で取り出したいこともあり,研究や教育などでは疾患名で探したいこともある.また生年月日や保険の支払い方法で探すことも考えられる.様々な需要に応えて記録を取り出したり,しまったりするにはそれなりの工夫がいる.診療録に番号を付けて順番に並べたり,疾患名や処置手術を符号化,すなわちコード化して,検索能力を高める工夫がされてきた.コンピュータによる情報処理が進んでも,記憶容量や検索能率の点から情報のコード化は避けて通れない問題である.
医療費の増加や高齢化社会を迎えるにあたっての医療の在り方が問われ,医療評価についての関心が高まっている.他施設や国際的な比較にも関心が出て,統計資料が要求される機会も増えそうな情勢である.医療に関するいろいろな言葉のコード化は,単に記録の管理を容易にするとかコンピュータ化するために必要であるという段階を越えて,医療における言葉,ひいてはサービスそのものを概念的に整理し,見直すという意味をも持ってきている.
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