事務長のNow & Know
私的病院における事務長の役割とその将来指向
豊福 省三
1
Shozo TOYOFUKU
1
1三信会原病院事務部
pp.404-407
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209061
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病院の中には人間しかいない,ということを考えると,患者さんや業者の方たち,職員の一人一人に至るまで,いかにしてそのハートをつかまえるかに重要なポイントがある.業者の方々を2番目に書いた意味がおわかりだろうか?病院は患者さんが来てくれなければ,成り立たないということは自明の理である.しかし同時に,雨の日も,風の日も,黙々として,薬品や医材を欠かさず供給してくれる薬のメーカーや販売会社,医材その他の会社,早朝から給食材料を配達してくれる食料品会社の方たちなどの協力なくしては,一日も生きて行けない.当院では,院長の方針として,協力業者の方々にも患者さんに対するのと同等の礼をもって接することを大きな施策の一つとしている.
ところで,当院には440名の職員が日夜を分かたず勤務しているが,院長の大方針が末端の職員まで行きわたっているという自信は全くない.特に縦割組織を強調しすぎたあまり,その弊害に泣かされているのが現状である.つまり中間管理職が下を見ないで,上を見ている.患者さんを見ないで,病院の中心部のほうを見ている.全部が全部そうではないにしても,私自身の反省も含めて,担当者の諸君が,なんと上司に気を使っていることか.それは一にかかって同一病院,同一ライセンス社会の中だけで育った中間管理職の権限に固執する悲しい姿勢なのかもしれない.医師の世界では,それが卒業年次の違いだけで,あまりにも識別されすぎている.
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