時評
民主的手続きによる医療計画策定を
姉崎 正平
Masahira ANESAKI
pp.439
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208838
- 有料閲覧
- 文献概要
厚生省の医療政策の展開が,直接的医療費抑制策から,医療供給制度の合理化におよんできたことは既に本欄(本年3月号)で指摘した.医療供給制度合理化の中心は昨1985(昭和60)年12月末に成立した医療法改正による地域医療計画の策定である.
その計画案は各都道府県ごとに今年の6月ごろまでに作られることになっている.その骨子は都道府県域を3次医療圏とし,それが複数の2次医療圏から構成されることになる.2次医療圏は原則として,入院医療を扱い,3次はその上の極めて高次の入院医療であり,1次は診療を中心とする外来医療である.1次医療に関しては今回の医療計画には入っていないが,政府は,再度医療法を改正して家庭医制度を導入し,プライマリー・ケアのシステム化に熱意を示しているので,やがては1次医療の合理化も日程にのぼるかと思われる.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.