患者からみた病院
病院と薬
不破 良三
Ryozo FUWA
pp.422
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208832
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私の知人で肝硬変と診断され,過去に度々入退院を繰り返したが,現在は小康を得て通院で治療している人がいる.問題は病院から知人に渡される薬のことで,その薬剤の種類と量の多さに驚かされたものだ.1回の服薬量として,水薬も含めて実に7種類もある.内容もカプセルあり,粉末あり,錠剤ありでバラエティに富んでいるし,色も様々で,ツートンカラーもあり,美しくもあるが,反面毒々しい不気味さも感じる.聞いた話ではあるが,お年寄りや目の悪い患者の間違いを防ぐために色付きにしてあるという.ホンマかいなと思う.
「仮りに1日分を小皿に盛ってみなはれ,見るだけで食欲はなくなるし,吐気さえしまっせ」と知人は笑う.我々肝疾患患者がこのような多量の薬を飲んで果たして大丈夫かいな?という疑問のほうが,治るんだと思う気持ちより先行してしまうという.
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