連載 病院管理フォーラム
事務長の病院マネジメントの課題 急性期病院の立場から・24
高齢地域の医療確保への取り組み 2.住民の医療確保に向けた試み
相馬 敏克
1
Toshikatsu Souma
1
1社団法人日本病院会病院,岩手県立遠野病院
pp.246-248
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100787
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●公的病院の役割と当院の理念
今,自治体立病院は,医療提供体制の変革や総医療費抑制政策などの影響を受けて診療収入が減少する一方で,地域の医療需要に応えるための費用は着実に増大するなど,非常に厳しい経営状況に直面している.その経営の厳しさゆえに,多くの場で存在意義や運営のあり方などが議論の的とされ,非効率的な自治体立病院の役割は終わったとする不要論まで聞こえてくるが,果たしてそうであろうか.中には,創設時の経済・交通事情や医療環境が大きく変わり,既に目的を終えたと考えられる施設や,過重とも思われる設備投資がなされている施設,甘い経営体質などがあることもあろう.しかし,多くの自治体立病院は,地域住民の健やかな生活を守るという自治体の使命を果たすために,地域の声に応え,役割を果たそうと努めているのではないだろうか.
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