特集 看護夜勤体制の変革
労働基準法との関連
覚正 寛治
1
Kanji KAKUSHO
1
1労働省労働基準局監督課
pp.413-414
発行日 1983年5月1日
Published Date 1983/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208014
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- 文献概要
(1)病院における夜勤体制については,8時間労働制,変形労働時間制,休日の付与,宿日直勤務等種々の観点からこれを検討しなければならないが,紙面の都合から,本稿では宿日直勤務について説明することとしたい.
(2)病院では,よく日勤のことを日直勤務,夜勤のことを宿直勤務と呼んでいるところがあるが,労基法でいう宿直勤務とか,日直勤務というのは,単に夜間に勤務するとか,日中に勤務するとかという区分ではなく,通常の勤務とはまったく違った勤務を意味するものである.例えば,病院における看護婦の通常の業務といえば,患者の受付け,診療の補助業務,看護業務などであるが,宿日直勤務というのは,所定の勤務時間外における火災,盗難のための巡回,緊急の文書や電話の収受,または非常事態に備えて待機しているもので,通常の業務はほとんど行われないのが建前である.このような勤務は,通常の業務に比し,労働密度が低いものであるから,労働基準監督署長の許可を受ければ,所定労働時間外に,あるいは休日に勤務させても,いわゆる時間外労働,休日労働とはならない.
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