小特集 医療施設間連携の試みと実践
産科及び新生児救急医療における連携—愛知県の病院間及び病院診療所間
野口 圭一
1
Keiichi NOGUCHI
1
1産婦人科野口病院
pp.121-123
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207943
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大衆は,大病院志向の傾向がある.大病院での分娩は,新生児製造工場的な面がないとは言えない.しかも,大都会の市街地を除き,小都市の自治体病院などでは,大建築の割には,スタッフは必ずしも充実しているとは言えないし,分娩数の増加のため,全分娩に医師が立ち合うことができない状態も多い.そこでの,緊急時の対処にも不安がないとは言えないし,異常新生児に対する対処も,その病院での小児科では不可能なことが多い.
私的の医療機関での分娩,すなわち「はげまし」の,「手づくり」の医師立ち合いの分娩を望むものもある.国公立・公的病院志向とは言え,なお,私的単科の医療機関での分娩は,全体の過半数を占めている.この分娩状態で,我が国の新生児死亡率,やや遅れたとは言え妊婦死亡率も急速に改善されたことから,このような分娩のあり方を否定することはできない.
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