病院精神医療の展開
病院精神医療チームにおける医師の役割
吉松 和哉
1
1東京都精神医学総合研究所
pp.682-685
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207803
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近年,病院精神医療は治療共同体的病棟運営のなされることが望ましいと言われている.これまでにも病院精神医療の三本柱として,よく身体療法,精神療法,生活療法が唱えられてきたが,共同体的治療ということになると,今まで以上により一層,多数職種のスタッフによるチーム医療が必要になってくる.そしてこの方向は間違いなく正しいであろう.しかし,同時に病院精神医療はそれだけむつかしい課題を負うようになったとも言える.古い収容的(custodial)な精神病院ではなく,治療共同体的病院であるということになると,医師中心だけではことはうまく運ばず,正にチーム医療こそ治療共同体的病棟運営の中心となってくるからである.そしてこれにまつわるいくつかの問題点が浮かび上がってくる.そこで以下,「病院精神医療チームにおける医師の役割」という主題に沿って,その問題点を挙げ,これをめぐって考察を加えていきたいと思う.
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