特別寄稿
トータル搬送システムの設計—神戸市立中央市民病院のソフトウエア(その1)
栗原 嘉一郎
1
,
中野 明
2
1筑波大学芸術学系
2大阪市立大学工学部
pp.131-136
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207666
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1981年3月,新神戸市立中央市民病院が神戸市沖のポートアイランドに誕生した.1,000床のこの総合病院は,建築・設備面でも運営面でも数々の新しい試みを盛って話題を呼んでいることは御承知のとおりである.その中の一つに,我が国で初の院内物流に対する大型自動搬送方式の全面実施が挙げられる.すなわち,院内各所に発生する物流の搬送について,搬送設備を部分的に導入するというこれまでの形ではなく,物品の管理・供給システムから建築・設備計画までを含むトータルシステムとしての設計を経た上で本格的な物流の全面自動搬送化を実現した点である.
この点の計画に際して,神戸市は海外先進事例の研究や視察を行い,物品集中管理部をもつ建築構想をまとめるとともに,搬送システム設計委員会(委員長・栗原)を組織して新病院のための搬送システム設計を行わせた.委員会は筆者のほか伊藤喜三郎建築研究所の石島秀雄氏・林勝宏氏,新中央市民病院建設事務所長他担当者,同開設準備室長,機種開発メーカー(三菱重工,他)など,技術系に比重の重い十数名から構成され,52年6月から54年8月までの間22回にわたって開催された.
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