病院管理の工夫
放射線科における工夫—正確な情報伝達のために
荻原 淳
1
1北里大学病院放射線部
pp.693
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207541
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人と人との間に意志を通じさせることは,人間社会を進歩させる上で最も重要なことであり,それができること,そのことが,人間社会である.病院においては,意志の疎通が最も重要であり,組織が大きくなれば,機能も大きくなり,意志伝達が十分に行われ難くなる.ではどのようにしたら意志伝達が可能だろうか.人々がいろいろな形で意志伝達の方法を述べてはいるが,顔を合わせての伝達が最も伝わりやすく,口づてに伝達する方法が一番通じ難いと考えられる.
病院においては,特に組織が大きくなれば大きいほど意志伝達は難しくなる.私どもの周りで行われている日常の仕事の中で,特に患者の診療にかかわる情報伝達は正確でなければならない.情報の発信者と最終受信者との間に相違があってはならないし,また伝達の速度もあまり遅れるようでは困る.X線撮影においては診療に当たっている医師からの依頼票という形で情報が発生する.忙しい診療の間であっても,その意志(依頼内容)が的確でなくてはなんの価値もないし,万一誤情報があれば大変に困ることが起きる.そのように考えると依頼票一つにしても,そのなかに含む様々な要件を的確に満たすようになっていなくてはならない.私たちは,業務の合理化と意志伝達の正確さにのっとり,依頼票の記述様式と業務ルートに沿った情報のとりこぼしをなくすることを目的に,チェック複葉方式の依頼票を使用している.
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