特集 「人間性回復」への動き
バイオエシックスと病院の機能—「患者とともに」の医療の新展開
木村 利人
1
1ジョージタウン大学バイオエシックス研究センター
pp.50-53
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207357
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21世紀を目前にひかえて,広く既に欧米諸国で独自の学問研究領域として定着している「バイオエシックス」(Bioethics)の全貌と,その具体的な展開のありさまが,昨年ようやく我が国にも紹介されるに至り各方面の注目を浴びた.
本稿では,この今までの専門分野のわく組みを破り,更に学際研究のアプローチをも超えて新しく統合されるに至った「生命(ビオス)と倫理(エティケー)についての学問体系」としての「バイオエシックス」が,その研究対象の重要テーマとしている「医療における人間性の尊重」「患者の尊厳と権利」「医療と倫理」等々の問題を手掛かりに,アメリカにおける病院の機能に焦点を合わせて,筆者なりの考察をすすめてみたいと思う.
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