特集 病院図書室
病院図書室の実態と問題点
平川 裕子
1
1千葉県がんセンター図書室
pp.998-1003
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207029
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病院には病院長,事務長から守衛に至るまで様々な職種があり,それぞれに問題を抱えているが,図書室にしても例外ではなく,むしろ問題の宝庫とも言える.全体的にみて,病院図書室はこれまで無い物づくしでやってきたところが大半で,金なし場所なし人なし(もちろん例外もあるが)の観を否めない.
近年とみに医学情報の大量化と多様化は著しい(図1).量に圧倒されるだけでなく,これまでのような雑誌,単行書のほかに,TV,カセットテープ,ビデオ,それにコンピュータまで,情報伝達の手段も実に多彩である.病院の図書室とて,例外なくその洗礼を受けている.しかし,病院の図書室は病院の全スタッフの栄養源と言われていながら,果たしてこうした情報の爆発についてゆけるであろうか.そう思って病院図書室の現状を振り返ってみると,暗い面ばかりだが,現実は現実,少しずつ明るくしてゆくことから始める以外に途はない.そんな思いをこめ,病院図書室のありのままを記し,問題をさぐってみた.なお,ここでは,患者のための病院図書室については述べないこととした.
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