特集 医療費の限界と病院経営
これからの医療需要と医療費の動向
都村 敦子
1
1社会保障研究所
pp.911-915
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207005
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1965年から1975年までの10年間に,我が国の国民医療費は5.8倍に上昇した.医療費の高騰は各国共通の現象であり,スウェーデン,西ドイツではこの期間に医療費が約4.5倍,イギリス,フランスでは4倍前後,カナダ,ベルギー,アメリカでは約3倍に上昇している.経済的,社会的,制度的な各種の要因が医療費に影響を及ぼしているが,ここでは,人口構造の変化および医師数の変化と医療費との関連について若干の検討を行ってみたい.すなわち,第1に,高齢化社会の到来を前にして,人口の老齢化は医療需要及び医療費にどのようなインパクトをもたらすか.第2に,我が国を初めとして,世界の主要国では,1960年代までの医師不足時代から,将来は医師過剰時代へと医師供給に変化のきざしがみられるが,医師数の増加は医療需要及び医療費にどのような影響を与えるか.以上の二点について取上げたい.
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